40歳になったばかりのOさんの悩みは、もともと華奢だった肩に数年前から厚みが生じ、手足も太くなったということ。太った部分を引き締めようとトレーニングをしてもなかなか細くならず、まるで肉を上乗せしたかのごとく、さらに分厚い見た目へと変わってしまいました。体重に大きな変化はないのですが、全身を鏡で見ると明らかに若い頃とくらべてシルエットが変わったといいます。
実際若い頃から特に太っていたわけでもないのに「アラフォーになるとなんとなく体型が崩れしまった」と感じる人は少なくありません。特に肩やお尻へとお肉が流れてたるんだように見えるのはよくあることです。そういったたるんだ部分を締めようとトレーニングをしても、なかなかうまくいかないのは何故でしょうか。
自分で思っている以上に体幹が機能していない
現場で指導していて意外と多いと感じるのは、たるんだ原因が肩やお尻の筋肉の緩みではなく「体幹の筋肉が機能していない」というケースです。日常で身体を頻繁に動かすこともなく過ごしていると、年齢と共に体幹部分の筋力は低下していきます。腹筋や背筋といったアウターマッスルもそうなのですが、横隔膜、腸腰筋、腹横筋、骨盤底筋群といったインナーマッスルの筋力低下は、顕著に体型の崩れとして表れます。
そういった体幹部分の筋力不足を補うために肩や腕、太ももなどの筋肉が発達して、部分的に偏って太くなってしまうのです。つまり体型が崩れたように見えるのは、弱った体幹をカバーするための筋肉がついてしまったということ。
本来であれば優先的に鍛えるべき体幹をスルーして、気になる手足や肩真っ先にトレーニングすることでバランスが崩れてしまうのです。アラフォー女性の崩れた体型がなかなか戻らないのは、こうした優先的に鍛えるべき箇所を間違えてしまうことが原因のひとつだといえるでしょう。
引き締めのコツはインナーマッスル
当店にも多くの40代女性が同じような悩みで相談にいらっしゃいます。動きを拝見させていただくと、最初はやはり腕や太ももといった、自分が使いやすい・使い慣れた部分を使って動こうとする方が多いのですが、施術・レッスンを重ねていくにつれて眠っていたインナーマッスルが目を覚まし、日常生活でも機能するようになってきます。そこからは崩れたお肉が体幹側に引き寄せられるように、肩、二の腕、お尻、太ももといったパーツも順々に引き締まってきます。
たとえばガチガチな肩こり、腰痛持ちだったり、ストレッチさえも何年もやってないんだけど?という方でも大丈夫ですよ。初回に状態を見させていただいて、筋肉や関節の動きがあまりにも硬い方はボディケアからスタートいただいています。硬くて動かなくなってしまった筋肉、体幹が弱過ぎるために太くなる方向にねじれてしまった骨格を、整体施術やストレッチでしなやかな筋肉に変えていきます。
無理な食事制限やキツい運動をガムシャラにやって引き締まるのはせいぜい20代半ばまでですよね。年を重ね、そういったやり方が通用しなくなってきたことに焦りを感じる女性は多いのですが、体型の崩れを年齢のせいにするのは時期尚早というものです。賢いアラフォー女性は正しいトレーニングやコンディショニングを行い、自分が理想とするボディを適切に維持しています。